| 講演者とパネリスト | 河野洋平氏(前衆議院議長) ゲオルグ・ヤルツェンボウスキー氏(前欧州議会対日交流議員団団長) ローレンス・ヤン・ブリンクホルスト氏(オランダ王国元副首相兼経済大臣 元駐日欧州委員会代表部大使)、 ヒュー・リチャードソン氏(駐日欧州連合代表部代表/大使) |
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| 司会 | ドミニク・アルバドリ氏(駐日欧州連合代表部政治分析官) |
| モデレーター | 中村英俊准教授 |
| 日付 | 2010年1月12日(火) |
| 時間 | 16時30分から19時 |
| 場所 | 早稲田大学国際会議場 |
| 言語 | 日本語及び英語 (同時通訳) |
| 備考 | 参加者:約300名 |
1. 開会の挨拶等
アルバドリ氏の司会進行のもと、河野洋平前衆議院議長によ
る2000年1月13日のパリ演説(当時は外務大臣)から10年目を記念する本イベントが開始された。まず、飯島昇藏政治経済学術院長とヤルツェンボウスキー氏が開会の辞を述べた。
飯島教授は、まずヤルツェンボウスキー氏とブリンクホルスト氏に謝意を示すと同時に、昨年度から早稲田大学で特命教授を務める河野前議長、在京の各国大使をはじめとする本イベン
ト出席者にも謝辞を述べ、学生たちには本講演から多くの刺激を受け、対話のセッションでの積極的参加を促した。
ヤルツェンボウスキー氏は、EUと日本の関係が政府と議会の2つのレベルから発展してきたことを指摘し、これまでの欧州議会議員と日本の議員との活発な交流や、それらの中で河野
前議長が大きな役割を担ってきたことを紹介した。氏はさらに、EUと日本が自由・民主主義・人権の尊重という共通の価値を有し、共に文化的多様性を持つことから、両者は世界平和
の安定や世界レベルの問題解決に共通の責任を有し、共に担っていくことのできる存在であることを確認した。2. 講演概要
【河野洋平前衆議院議長の講演】
日本とEUが話し合いによって相互理解を深めることができるのは、日本では「かな」で書かれた『源氏物語』、EUでは「地中海文明」があるように、両者ともに文明を生み出す土壌を持つことも一因であろうと指摘した。河野前議長は、ブリンクホルスト元副首相と同年齢であると同時に似通った政治経歴を有し、30年来の付き合いとなることを引合いに出し、個人的な友 人をヨーロッパにもつことが大切であると述べた。そして、日本とEUの関係は学生諸君の肩にかかっている、と述べて講演を締めくくった。
【ブリンクホルスト元副首相によるレスポンス】
(C)EU/N Kawaguchi
ブリンクホルスト元副首相は1983年から1987年に駐日欧州委員会代表部大使を務め、河野前議長とも深い間柄にある。元副首相が若き日の河野前議長と知り合った1970年代は、ヨーロッ
パも日本も第二次大戦後の米国絶対優位の経済に特徴づけられており、欧州統合の概念が50年代に生まれたばかりのものであったことや、欧州委員会の独立した立場が理解されていなかっ
たことから、一般に関心を持たれないのはごく当たり前であった。初期の日・EUは経済関係の構築から始められたが、河野前議長は当初からECを、共通利益を増進するためのものであると認識していた。ブリンクホルスト元副首相は、2000年の河野演説は「多様性の下での共通の価値の実現」、「日欧政治協力の強化」、「グローバル化のメリットの共有」の3つを主張するもので、謙虚ゆ えにメッセージ性の高いものであったとし、同演説が翌年の「日・EU行動計画」の採択へつながるものとなった、と評価した。今後日本とEUは、既存の多国間協調の枠組みを活かしつつも、人権や民主化、核兵器の廃絶のほか、研究開発やエネルギー、司法、経済連携協定などの分野で、バイラテラルな協力関係をさらに発展させていくことが重要である、と述べた。
3. 学生との対話
(C)EU/N Kawaguchi
中村准教授の司会進行のもと、学生からの質問に登壇者が答える形で対話が進められた。「日欧ビジネスを促進する作業は産学官で進んでいるか」との質問に対し、河野前議長は現在の
経済状況にとらわれず、法律や機構の整備を含めて、システマティックに考えることが大事である、と述べた。「世界平和において大切なことはキリスト教とイスラム教の対話であると考
えるがどうか」との質問には、まず河野前議長が、その通り対話が重要であると述べ、ブリンクホルスト元副首相は、宗教間の相互理解がより必要となるなかで、さまざまな宗教を認める
日本が貢献できることは多いと述べた。さらに、「安全保障」に関する質問に対しては、「ソフト・パワー」としてのEUと日本の核廃絶に向けた貢献の重要性を、河野前議長を始めパネリストは声を揃えてあらためて強調した。最後に、河野前議長は学生に対し、EUを訪ね見聞を深め、経験を積むことで、将来の日EU関係の発 展に是非とも貢献してほしいと期待を表明し、本セッションは締めくくられた。
4.閉会の辞
(C)EU/N Kawaguchi
リチャードソン駐日EU代表部大使が閉会の辞を述べた。大使はまず、河野洋平前衆議院議長の40年にわたる経験と知恵に敬意を表し、遠路ヨーロッパから来日したヤルツェンボウスキーおよびブリンクホルスト両氏や会場の学生にも謝意を表した。日・EU間の距離は埋められつつあるが、特に貿易や投資の促進、温暖化や食糧、安全保障などの分野で、協力をうたうだけではなく実行につなげていく必要がある、とした。そして、声を一致させる(「共通の言葉」で語る)ことで影響力を大きくしようと提案した。今後、政府関係者・企業・市民社会など全てのステーク・ホルダーの声を聞き、2001年の行動計画に続く次期の行動計画を策定していくことになるが、本日の対
話からそのための多くのヒントが得られた、と述べた。 参考資料 「日EU関係について」
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