| 講師 | 岡部みどり 准教授 (上智大学法学部) |
|---|---|
| 司会 | 福田耕治 教授 (EUIJ早稲田代表、早稲田大学政治経済学術院)・ |
| 日付 | 2011年1月14日(金) |
| 時間 | 18時30分から20時 |
| 場所 | 国立国会図書館 |
| 言語 | 日本語 |
| 備考 | 10名(国会図書館立法スタッフ)
|
岡部准教授は、共通出入国管理(immigration)政策にみるEUの境界、あるいは域外包摂について講義した。
岡部准教授によれば、EUに包摂されうる側(域外)が受けるシェンゲン規範の影響力に応じ、4つのゾーンが特定できる。その4つのゾーンとは、シェンゲン協定の締結国(Zone1)を中心に、 Zone2:規制的(regulatory)、 Zone3:外交的(diplomatic)、 Zone4 :委任的(mandatory)なゾーンである。Zone2の国は、EU加盟国(シェンゲン協定国以外)、加盟候補国である。特に第6次拡大以降、シェンゲン参加は加盟前交渉の条件になっており、EUの影響力は大きい。Zone3の国は、EU加盟申請国、あるいは近隣政策(ENP)の対象地域であり、例えばモルドヴァとEUの関係には、国境管理政策をめぐり外交的な成果が確認できる。Zone4の国は、サハラ以南アフリカ諸国であり、そこでEUは、国際移動者の流入阻止を目的とした「移動マネジメント」の有力手段として、開発支援を実施している。例えばマリは、EUをグローバル・ガバナンスを志向するアクターのひとつとみている。
質疑応答では、EU加盟国と旧植民地諸国との関係、またEU加盟国と文化的な均質性をもつ北米などのキリスト教諸国との関係はどのように位置づけられうるのか、という質問が出された。これに対し岡部准教授は、このゾーン仮説はEUと諸国家間の関係に関する仮説であり、EU加盟国に個別に適用することは難しいと答えた。
文責: EUIJ早稲田 加藤恵美




