| 講師 | 鈴木俊彦参事官(厚生労働省)、矢島鉄也課長(厚生労働省) |
|---|---|
| 司会 | 村田信之、EUIJ永田町アウトリーチ担当(早稲田大学非常勤講師) |
| 日付 | 2009年6月4日 |
| 時間 | 15時から16時 |
| 場所 | 衆議院第1議員会館第3会議室 |
| 言語 | 日本語 |
| 備考 |
村田信之氏の司会により勉強会が開始された。本日の講師は、新型インフルエンザ対策本部にて実際の対応にあたられた厚生労働省のお二人から、政策説明的な視点にもとづく講義が展開された。
1.新型インフルエンザについて
この春大流行した新型インフルエンザは、まだその実態が解明されていない部分が大きい。目下、感染が拡大しているのは米国大陸やオーストラリア大陸であり、世界的大流行(パンでミック)を引き起こすとの判断からWHOではフェーズ5に指定された。しかし、感染力は弱く、死亡者も少ないことから、マイルドなタイプのウィルスとしてフェーズが変更される可能性が高い。
海外の事例においては糖尿病やぜんそく等の基礎疾患を有する者を中心に重篤化することが報告されている。これと比較すると日本では重篤化傾向はみられない。日本国内で関西を中心に流行した背景には、高校生の部活動での清涼飲料水等の回し飲みが指摘されている。
2.今後の対応について
もっとも懸念されているのは、流行がおさまった後に再び大流行が発生する場合である。ウィルスの力や毒性が強くなり、死者が増大する可能性を否めないからである。これから冬を迎えるオーストラリアでも感染者が拡大するのではないかとの見方は強い。
これらの対応にあたっては、国内に限らずに情報を共有化し、医療の確保、治療薬の確保に加え、適切な判断と対処が求められることになるだろう。
3.質疑・応答
発生源がすでに特定されているかとの質問に対し、メキシコが濃厚であるとの見解が共有されている旨回答された。ただし、厳密な意味での発生源の特定は技術的に難しく、感染のパターンも国により異なるため、対応も一概に定式化できないことが指摘された。EU諸国の対応は、海外渡航歴のあるものを中心に警戒するというものであるが、この方法が妥当であるか否かについても一概には判断できないことが回答された。これまでに経験のないウィルスであるため、今後どのような事態が想定されるかも現時点では判然とせず、より積極的な対応と、冷静な対応とのバランスは難しい。来週、カナダで国際会議が予定されており、油断することなく対応していくことが肝要であるとの認識が示された。
日本国内では、新型インフルエンザの流行は終息期にあるためか、より多くの人の関心を引くという視点からは、テーマのインパクトは若干弱かったかもしれない。しかし、国際社会における国家レベルの対応が実務家により説明されたという意味で、興味深い情報を含む講義であったと思われる。




