| パネリスト | 大谷信盛(衆・前環境大臣政務官) 加藤修一(参・元環境副大臣) 遠藤乙彦(衆・元財務副大臣) ヘイス・ベレンツ(駐日欧州連合代表部 通商部一等書記官) ブノワ・リュロー(フランス大使館 経済部参事官) 坪郷 實(早稲田大学 社会科学総合学術院教授) |
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| 司会 | 明日香 壽川(財)地球環境戦略研究機関気候変動グループディレクター、東北大学教授) |
| 日付 | 2011年6月28日(火) |
| 時間 | 16時30分から19時00分 |
| 場所 | 早稲田大学 早稲田キャンパス小野記念講堂 |
| 言語 | 日本語、部分的に英語 |
| 備考 | 120名 |
3.11以降、日本のエネルギー政策のあり方が大きく問われている。菅直人首相は、「2020年代のできるだけ早い時期」までに「自然エネルギー」の総発電に占める割合を20%にする目標を示した。EUは、すでに「2020年までに再生可能エネルギーシェア20%」という目標を掲げている。EUだけでなくEU加盟国の再生可能エネルギーをめぐる経験は、日本の参考になる点が多い。EUIJ早稲田は、本シンポジウムを、欧州のエネルギー政策について理解を深め、今後の日本のエネルギー政策のあり方について多義に渡って広く議論を促進する目的で開催した。
大谷議員は、再生可能エネルギー20%という目標を達成する上で、国家としての強い意志が必要であるとし、それを世論に裏付けられた正式な戦略目標にすることが必要だと論じた。加藤議員は、これまでに全世界で放出された累積の放射線量(35京ベクレル)は今回の福島の原子力発電所の放出量(900億ベクレル)と比べても膨大なものであることに触れ、将来世代への負の遺産でもある原子力の利用は段階的に縮減されるべきであり、再生可能エネルギー法案を成立させるべきだと主張した。また、電力の自由化が必要だとも述べた。遠藤議員は、日本の原発依存(50%)を取り上げ、エネルギーシフトとエネルギーのベストミックスを追求する必要があると述べた。アジア・環太平洋造山帯においては、過去60年間にM.9.0以上の大地震が頻発している事実に触れつつ、今後のエネルギー政策は、専門家に任せきりにせず、政治家、市民、科学者の三者でよく対話をしながら取り組んでいくべきだ、と主張した。
ベレンツ氏は、EUの気候変動・エネルギー政策パッケージ(20-20-20目標)を紹介し、再生可能エネルギーに関する目標について加盟国の達成状況を概観した上で、その差の背景を解説した。また、EU・加盟国レベルの再生可能エネルギーの利用を促進する財政支援策も紹介した。リュロー氏は、再生可能エネルギーを含むフランスのエネルギーの利用状況、EUレベルの政策目標に関連するフランスの国家レベルでの行動計画、ならびに建築物や交通への規制、エコシティといった具体的取り組みを紹介した。ベレンツ氏、リュロー氏とも、グラフや表を駆使して、相互にリンクしているEUとフランスの再生可能エネルギー政策の最新動向を短い時間ながら平易かつ明快に解説した。坪郷教授は、ドイツは再生可能エネルギーの利用は順調に拡大してきており(電力の17%、全エネルギーの16.4% 、2020年には30%)、近い将来も伸びる見込みであると論じた。現在ドイツは再生可能エネルギーの時代にあると冒頭で明確に述べた上で、1980年代後半からのドイツのエネルギー政策の発展の流れを、反原発を推進する緑の党の存在や、赤緑連合の形成といった歴代政権の動向から跡付けた。重点的投資に基づく、雇用の増大(34~37万人)、電力エネルギーの自由化といった要因、ドイツに特有な連邦環境庁の役割についても論じた。
明日香教授は、審議中の再生可能エネルギー法案の動向、再生可能エネルギーの導入が遅れているポーランドの現状、米国と欧州のアプローチの違い、欧州各国では地歩を固めている緑の党が日本では有意な政党として存在していない理由、といった興味深い問いをパネリストに対し提起した。質疑応答では、再生可能エネルギーへの移行に伴うコストとベネフィットの関係、フランス政府内のエコロジー・持続可能な発展・住宅省の成立をめぐる既得権益・利益の衝突などについて質問があり、パネリスト、参加者の間で活発な議論が展開され、閉会の時間が延長される中、質疑応答が閉じられた。
文責:政治学研究科 博士後期課程 齋藤亜紀人
司会:明日香 寿川 教授 大谷信盛 議員
遠藤乙彦 議員 加藤修一 議員
ヘイス・ベレンツ氏 EU連合代表部 ブノア・リュロー氏 フランス大使館
坪郷 實 教授 パネルディスカッション
講演資料




